第3回:やり抜く力を育てる声のかけ方について

やり抜く力は、失敗を経験し、それを乗り越える度に伸びていく


今回のポイントは1つです。

失敗したときには、共感を表し、前向きな表現でアドバイスをする

うまくいかなかったときに、「もうだめだ・・・」とやる気をなくしてしまうのか、「きっと乗り越えられる!」と、その先に目を向けられるのかで、その後の成長に大きな違いが出てきます。この違いは、社会に出てからはもちろん、受験学年での学力の伸びにも大きな影響を与えます。

親は、子どもを思うあまり、失敗をさせないように、先回りしてしまいがちです。しかし、それでも多かれ少なかれ、人は失敗してしまうものです。子どもはいずれ独り立ちをして、自分の力で失敗を乗り越えていかなければなりません。だとするならば、失敗したときの感情のコントロールのしかたや思考法など、今のうちに、立ち直るためのスキルを育ててあげる方が、この先、何倍も何十倍も、子どものためになるのではないでしょうか。

『失敗する→自分の気持ちと向き合いながら、問題点と解決策を考える→粘り強く実行する→乗り越える』という経験を繰り返すことによって、脳の神経回路が変化し、感情を前向きにコントロールできるようになります。その過程を、まずは親が手助けしてあげましょう。慣れてくると、親の手助け無しでもできるようになり、やり抜く力を子ども自身でどんどん伸ばしていけます。

第2回では、『子どもの頑張りを認め、共感を表す』ことについてお伝えしました。承認・共感によって、子どもは「親は自分の気持ちを理解しようとしてくれている」と感じ、親の励ましやアドバイスなどの言葉を受け入れるようになる土台が出来上がります。この土台があるからこそ、失敗したとき、親の前向きな声かけによって、『失敗に対してどのように向き合えばよいのか』を学んでいくことができるのです。

そこで前回と同様に、まずは共感を表し、前向きな表現でアドバイスをします。具体的には、次につながるような解決策を考えさせたり、先生に相談することを提案したりします。

【 声のかけ方 】(例1)

子「数学でミスが多くて、悔しかった。」

親「それは悔しかったね。じゃあ、どうしたらミスが少なくなると思う?」

【 声のかけ方 】(例2)

子「理科、頑張ったけど、思ったより点数が取れてなかった。」

親「理科頑張ったんだね、偉い!もっと点数が取れると思ったのね。じゃあ、次はどうしたらいいのか考えて、塾の先生に話してみたら?」

<最後に>
塾でも、多くの学習過程の中で頑張った部分に目を向けたうえで、改善すべきことを話し合い、アドバイスいたしますので、ご安心ください。

第2回:成績が出た後の声のかけ方について

成績の良し悪しに関わらず、共感を表すことで、次につながるやる気が引き出される


今回のポイントは2つです。

① 頑張ったことを聞く

まずは、「子ども自身が頑張ったと思うこと」を、『聞く』ことからスタートです。 「~ができてないじゃない」「スマホばっかり見てるからよ」など、頭ごなしに否定すると、子どもは「自分の気持ちなんか分かってもらえないんだ」と感じ、反抗的な態度をとったり、黙り込んだりします。

こういうことが続くと、結果を見せなくなったり、捨てたりするだけでなく、徐々に心を閉ざし、何を話しても受け入れてもらえなくなってしまいます。 次への頑張りにつながる話をするためにも、子ども自身がどんなことを頑張ったと感じているのかを理解してあげましょう。

② 子どもの頑張りを認め、共感を表す(オウム返し)

①で『子どものポジティブな言葉を引き出す』ことができたら、『共感を表す言葉』を伝えます。 その後に、親から見て「こんなところも良かった」と思うことを話すのも効果的です。

『結果』より『行動』を褒めるようにすると、その行動が促進されます。 子どもは、ポジティブに感じていることを言語化して、それに共感してもらえることで、心を開いていきます。この積み重ねによって、親の励ましやアドバイスなどの言葉を受け入れるようになります。

【 声のかけ方 】(例1)

親「今回は、何の教科を頑張ったの?」

子「うーん、英語かな。」

親「英語を頑張ったのね。どんなことをしたの?」

子「学校と塾の宿題はやったよ。」

親「宿題をきちんとやったのね。家でもよくやってたものね。」

【 声のかけ方 】(例2)

親「数学はどんな風に勉強したの?」

子「学校のワークは解いたよ。」

親「ワークを頑張ったのね。分からない所はどうしたの?」

子「塾で質問したよ。」

親「ちゃんと先生に質問して偉いじゃない。」

<最後に>
塾でも、多くの学習過程の中で頑張った部分に目を向けたうえで、改善すべきことを話し合い、アドバイスいたしますので、ご安心ください。

『子育てのコツ(子どもの自律)』第1回

数回に分けて、ご家庭でも役に立つ『子育てのコツ』など、本校の教育理念に基づいた情報を発信することにいたしました。より良い親子関係や家庭学習環境づくりの一助となれば幸いです。

テーマは、『自律』。 『自律』とは、思い通りにならない様々な事柄を人や環境のせいにするのではなく、自分自身ができることに目を向け、実行することです。

「思い通りにならないのは人や環境が良くないからだ」と思っている間は、思考や行動が止まり、人間関係も悪くなりがちです。 しかし、お子様がどんな状況でも自分自身にできることを考え、実行する力をつけることによって、自己成長しながら、より良い人間関係を築いていくことができれば、保護者の皆様も安心できるのではないでしょうか。

数年後、社会人として周りの人を尊重しながら、不確実性の高い未来を生き抜いていけるように、AQ学院は、『自律』に必要な考え方や行動を伝えていく所存です。 お子様にとって、講師からの声掛けはもちろん、保護者の皆様からの声掛けも、大きな影響を持っています。 実際、多くの研究でも、親から子どもへの声掛けは、学習意欲や粘り強さ、自己肯定感など、心の発達に影響を及ぼすことが示されています。

保護者様からお子様への温かく力強い声掛けがあってこそ、お子様の『自律』への歩みは加速します。 記事をぜひお読みいただき、ポジティブな声掛けを積み重ねることで絆を強め、お子様の学習意欲が高まることを祈っております。

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